萎縮性胃炎・ピロリ菌
萎縮性胃炎とヘリコバクターピロリ感染症
ヘリコバクターピロリ(H. pylori)は胃粘膜に住みつく細菌で、慢性胃炎・潰瘍・萎縮性胃炎を引き起こし、胃がんの最大の危険因子です。
除菌治療により発がんリスクは大幅に低下しますがゼロではありません。萎縮や腸上皮化生が残る場合は、定期的な内視鏡でのフォローが推奨されます。
まずはここだけ押さえればOK
- ピロリ菌は慢性胃炎→萎縮性胃炎を起こし、胃がんリスクを上げる。
- 感染は主に幼少期の家族内経口感染で成立する。
- 除菌でリスクは大きく下がるがゼロにはならない。
- 萎縮・腸上皮化生が強い場合は1〜3年ごとの内視鏡フォローが必要。
- 黒色便・吐血・強い持続痛は早めに受診。
疾患概要
- ピロリ菌は胃粘膜に長期感染し慢性胃炎〜萎縮性胃炎へ進行。
- 萎縮・腸上皮化生は胃がんの土台になるため、診断と除菌が重要。
除菌でリスクは大きく下がりますがゼロではないため、背景粘膜に応じて内視鏡間隔を調整します。
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ピロリ菌はウレアーゼにより胃酸を中和して生存し、長期感染で 慢性胃炎→萎縮性胃炎→腸上皮化生へ進行し得ます。 これらの変化は胃がん発生の背景となるため、感染の診断・除菌・内視鏡での監視が大切です。
感染の広がり
- 日本では世代が上がるほど感染率が高い傾向。
- 若年層では衛生環境改善などで感染率が低下しています。
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高齢層>中年層>若年層の順に感染率が高い傾向があります。 これは幼少期の生活環境(衛生・家族内感染)に影響されるためです。
感染経路
- 主に幼少期の経口感染(家族内)で成立。
- 成人での新規感染は稀です。
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- 家族内の口移し・同一の食器使用などで感染が成立しやすい。
- 成人での新規感染はまれですが、地域・渡航歴などで起こり得ます。
症状
黒色便・吐血、進む貧血、強い持続痛がある場合は早急にご相談ください。
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ピロリ感染自体は無症状のことが多い一方、胃・十二指腸潰瘍を併発すると 上腹部痛や出血症状(黒色便、貧血)が出ることがあります。
検査・診断
- 内視鏡で萎縮・腸上皮化生の程度を評価。
- 感染診断は呼気/便抗原/血清抗体などを使い分けます。
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- 内視鏡:萎縮・腸上皮化生の評価、必要に応じ生検
- 非侵襲検査:尿素呼気試験(UBT)、便中抗原、血清抗体など
- 除菌判定:治療終了後4週間以降にUBT/便中抗原で実施(PPIは事前休薬が推奨)
※ 血清抗体は除菌後もしばらく陽性のことがあり、判定目的には不向きです。
治療(除菌)
- 標準は3剤を7日間内服する除菌療法。
- 不成功なら二次除菌で対応します。
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基本
- 3剤療法を7日間(PPI/P-CAB+抗菌薬2種)
- 耐性状況や既往でレジメン調整を行います。
確認と再治療
- 治療1〜2か月後にUBT/便中抗原で除菌判定
- 失敗時はレジメン変更で二次除菌
- 三次以降は自費となる場合があります(外来でご相談)。
治療後のフォロー・胃がん予防
- 除菌で胃がんリスクは大幅に低下しますがゼロではない。
- 萎縮が強い人ほど定期内視鏡が重要です。
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とくに萎縮・腸上皮化生の残存、高齢男性、過去にESD/潰瘍歴のある方などは 1〜3年間隔の内視鏡フォローをおすすめします(所見で個別調整)。
- 禁煙・節酒・減塩
- 野菜果物の摂取・体重管理
- 除菌後も背景粘膜リスクに応じてサーベイランスを継続
よくあるご質問
除菌したら再感染しますか?
日本では再感染は稀ですが、地域・渡航歴により可能性はゼロではありません。上腹部症状が続く場合はご相談ください。
判定はいつ・どの検査で行いますか?
治療終了後4週間以降にUBTまたは便中抗原で行います。PPIは事前休薬が推奨されます。
除菌すれば胃がんにはなりませんか?
リスクは大幅に低下しますがゼロではありません。萎縮・腸上皮化生の強い方などは定期内視鏡が大切です。
