睡眠時無呼吸症候群
睡眠時無呼吸症候群(SAS)
睡眠中に呼吸が止まる・浅くなる状態が繰り返され、酸素が下がり眠りが分断される病気です。
放置すると高血圧・不整脈・心不全・脳卒中・糖代謝異常のリスクが上がり、日中の強い眠気で交通事故・業務事故につながることもあります。
当院では問診・スクリーニング→自宅での簡易検査→治療まで一貫してサポートします。
まずはここだけ押さえればOK
- 睡眠中の無呼吸で酸素が下がり、眠りが浅くなる病気です。
- いびき・呼吸停止の指摘・日中の強い眠気が重要なサインです。
- 検査はまず自宅での簡易検査から始めます。
- 保険適用でCPAPを使うには簡易検査でAHI40以上(またはPSGで20以上)が基準です。
- 減量や飲酒の調整などの生活改善も大切です。
このような症状はありませんか?
※ 運転・高所作業など注意力が求められる職種の方は、早めの評価をおすすめします。日中の強い眠気がある場合は運転を控えてください。
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日中の症状
- 強い眠気・うとうと・居眠り
- 集中力・作業効率の低下
- 朝の頭痛・倦怠感
- イライラ・抑うつ感
起床時の症状
- 熟睡感がない・寝起きが悪い
- 口や喉の渇き・違和感
- 頭重感・寝汗
睡眠中の症状
- 大きないびき・途切れるいびき
- 呼吸停止を指摘された
- むせて目が覚める・夜間頻尿
- 体動が多い・悪夢・歯ぎしり
起こりやすい要因
- 肥満・体重増加(首まわりの脂肪)
- 鼻づまり(アレルギー性鼻炎・鼻中隔弯曲など)
- 就寝前の飲酒
- 男性・中高年、女性では閉経後に増加
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- 肥満・頸囲の増大による舌根沈下・気道の狭窄
- 扁桃肥大・アデノイド肥大(特に小児)、鼻閉(アレルギー性鼻炎・鼻中隔弯曲症)
- 顎顔面の形態(下顎が小さい・後退している)――日本人はこの傾向が多く、肥満がなくても発症しやすい
- 就寝前の飲酒・鎮静薬(上気道の筋肉を弛緩させる)
- 家族歴・加齢・閉経後のホルモン変化
- 心不全・脳血管障害(中枢性SASの素因)
※ 日本のSAS患者の約30〜40%は肥満ではなく、顎顔面形態(小顎・下顎後退)が主因であることが多い日本人の特徴があります。「太っていないからSASではない」とは言えません。
検査の流れ
- 初診・問診(眠気・いびき・既往・生活歴などを確認)
- 自宅での簡易睡眠検査(機器をお渡しし、ご自宅で通常どおり就寝)
- 結果説明 → 治療方針の決定
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- 初診・問診:エプワース眠気尺度(ESS)などの質問票でリスク評価。鼻や喉の状態も確認します。
- 自宅簡易検査(HSAT):指や鼻に小型の機器を装着して就寝するだけで、呼吸の状態・酸素飽和度を測定し、AHI(無呼吸低呼吸指数)を算出します。
- 精密検査(PSG:終夜睡眠ポリグラフ):簡易検査では判断が難しい場合や、閉塞性と中枢性の鑑別が必要な場合に、連携医療機関での1泊検査を行います。
- 結果説明・治療方針:重症度・合併症・生活背景をふまえて、最適な治療法をご提案します。
重症度の目安と保険適用基準(AHI)
| 分類 | AHI(無呼吸低呼吸指数) | 治療・保険の目安 |
|---|---|---|
| 軽症 | 5以上〜15未満 | 生活改善を基本に。口腔内装置(OA)が保険適用(AHI5以上)。症状や合併症に応じてCPAPも検討 |
| 中等症 | 15以上〜30未満 | CPAPを積極的に検討。PSGでAHI20以上ならCPAP保険適用 |
| 重症 | 30以上 | CPAPを強く推奨。簡易検査でAHI40以上ならCPAP保険適用 |
※ CPAPの保険適用基準:精密検査(PSG)でAHI20以上、または簡易検査でAHI40以上が原則です。保険適用でのCPAPには月1回の定期受診が必要です。
※ 口腔内装置(OA)の保険適用:AHI5以上で適用(歯科での作製)。
※ 酸素低下の程度・姿勢依存性・合併症の有無なども評価に加味します。
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CPAPの保険診療を継続するには、1日4時間以上かつ月の70%以上の使用が目安とされています。使用が不十分な場合は保険継続が難しくなることがあります。
症状や合併症のリスクが高い場合(高血圧・心血管疾患など)は、数値基準のみで判断せず医師と相談の上で治療方針を決定します。
治療(個別最適化)
- 保険基準(PSGでAHI20以上/簡易検査でAHI40以上)を満たす場合はCPAPが標準治療です。
- 軽症〜中等症やCPAPが合わない場合は口腔内装置(OA)を検討します(AHI5以上で保険適用)。
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CPAP(持続陽圧呼吸療法)
- 就寝中にマスクを装着し、空気を送り続けることで上気道の閉塞を防ぎます。
- 日中の眠気・いびき・血圧・不整脈リスクの改善が期待できます。
- マスクのサイズ・形・加温加湿の調整・リーク対策が継続のカギです。慣れるまでサポートします。
- 保険継続には月1回の定期受診と1日4時間以上の使用が必要です。
口腔内装置(OA:マウスピース)
- 下顎を前方に出して気道を広げるマウスピース型の装置。
- 軽症〜中等症・CPAP不耐時に適応。AHI5以上で保険適用(歯科での作製)。
- 対応歯科をご紹介します。
外科・耳鼻咽喉科的治療
- 扁桃肥大・アデノイド肥大(特に小児)、鼻閉が主因の場合に適応を検討します。
生活改善のポイント
- 減量:体重の5〜10%減でも症状が大きく改善することがあります。
- 就寝前の飲酒を避ける:アルコールは上気道の筋肉を弛緩させ無呼吸を悪化させます。
- 側臥位(横向き)で寝る:仰向けで悪化する方は横向きが有効です(体位療法)。
- 鼻炎の治療で鼻呼吸を確保:鼻づまりはSASを悪化させます。
- 規則正しい睡眠・起床リズムを保つ。
- 眠気が強いときは絶対に運転しない:治療で眠気が改善していることを確認してから。
- CPAP・OAの定期フォローを欠かさない。
よくあるご質問
検査は入院が必要ですか?
多くの方はまず自宅での簡易検査から始めます。機器をお渡しし、普段どおりご自宅で就寝するだけです。結果によってさらに詳しい検査(1泊のPSG)が必要になる場合は、連携医療機関をご紹介します。
CPAPを使うにはどんな条件が必要ですか?
保険でCPAPを使うには、精密検査(PSG)でAHI20以上、または簡易検査でAHI40以上が原則の基準です。また、保険適用を継続するには月1回の定期受診と1日4時間以上の使用(月の70%以上)が必要です。
AHIが低くても治療した方が良いですか?
軽症(AHI5〜15未満)でも、日中の強い眠気・高血圧・心血管リスクがある場合は治療介入を検討します。口腔内装置(OA)はAHI5以上で保険適用があります。
CPAPは一生続けなければなりませんか?
減量や生活改善によって重症度が下がれば治療方針を見直すことができます。ただし、合併症の予防のために継続的な使用が重要です。自己判断でやめず、定期受診で担当医と相談してください。
マスクが合わず続けにくいのですが…
マスクのサイズ・形状・ベルトの締め具合の調整で大きく改善することが多いです。加湿設定の見直し・リーク(空気漏れ)対策も効果的です。慣れるまでご一緒に調整しますのでご相談ください。
太っていないのにSASと言われました。なぜですか?
日本人はもともと下顎が小さい・後退しているという顔の形の特徴があり、肥満がなくてもSASを発症しやすいとされています。実際に日本のSAS患者の30〜40%は肥満ではないとされています。太っていなくても発症することがあります。
運転しても大丈夫ですか?
強い眠気がある場合は運転・高所作業などを控えてください。治療によって眠気が十分に改善していることを確認してから再開することが大切です。眠気が続く場合は担当医にご相談ください。
