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花粉症

花粉症(季節性アレルギー性鼻炎)

花粉症はくしゃみ・鼻水・鼻づまり・目のかゆみを起こす季節性アレルギー性鼻炎です。日本人の約4割(スギ花粉症)が罹患するとされ、仕事・学業・日常生活への影響も大きい病気です。
当院では第2世代抗ヒスタミン薬や局所ステロイド点鼻を軸に、シーズン前からの初期療法で症状の立ち上がりを抑えます。
舌下免疫療法(SLIT)は当院では実施していません(希望される方は実施医療機関へご紹介します)。

まずはここだけ押さえればOK

  • 花粉が原因でくしゃみ・鼻水・鼻づまり・目のかゆみが出ます。
  • つらくなる前にシーズン開始時(症状が出始めたらすぐ)から薬を開始するのが効果的。
  • 基本治療は抗ヒスタミン薬+点鼻ステロイドの組み合わせ。
  • マスク・メガネなどで花粉をできるだけ避けることも大切。
  • 原因アレルゲンは採血で確認でき、治療を最適化できます。

この症状があればご相談ください

  • 連発するくしゃみ
  • 水のような鼻水
  • 鼻づまり・口呼吸になる
  • 目のかゆみ・充血・異物感
  • のどの違和感・咳ばらい
  • 集中力の低下・眠気・倦怠感
  • 微熱・頭痛(人によって)
  • 鼻周囲の肌荒れ

※ 鼻づまり優位か、くしゃみ・鼻水優位かなど症状のタイプによって薬の選び方が変わります。受診時にお伝えください。

花粉症とは

スギ・ヒノキ・ブタクサ・カモガヤ(イネ科)などの花粉が鼻や目の粘膜に付着し、IgE抗体を介したアレルギー反応(タイプ2炎症)で症状が起こる病気です。
春はスギ・ヒノキ、初夏〜秋はイネ科・ブタクサが主な原因となることが多く、地域差(例:北海道はシラカンバが主)もあります。

スギ花粉症の有病率は約38.8%(鼻アレルギー診療ガイドライン2024年版)に達しており、国民病ともいえる疾患です。

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血液検査(血清特異的IgE)が陰性でも、鼻粘膜局所でアレルギー反応が起きている「LAR(局所アレルギー性鼻炎)」という病態が存在することが2024年版ガイドラインで新たに明記されました。検査で抗体が検出されなくても花粉症様の症状がある場合は、専門医への相談が必要なことがあります。
春・秋どちらも症状が強い場合や通年で症状が続く場合は、複数の花粉や通年性アレルゲン(ダニ・ハウスダストなど)の関与も考えます。

初期療法(症状が出たらすぐ・飛散開始時から)

  • 花粉の飛散が始まったら、症状が少しでも出た時点で薬を開始することが推奨されています(鼻アレルギー診療ガイドライン2024年版)。
  • 症状がない場合は花粉飛散開始時から内服を始めれば、発症そのものを遅らせピーク症状を軽減できます。
  • 鼻づまりが強い方は局所ステロイド点鼻を同時に開始することが特に有効です。
  • マスク・眼鏡・室内干しなどの抗原回避(花粉を避ける工夫)も同時に開始しましょう。

※ 従来「飛散2週間前から」とされていた初期療法の開始タイミングは、最新ガイドライン(2024年版)では「飛散開始時・症状が出始めたらすぐ」に更新されています。ただし花粉飛散前から症状が出やすい方(全体の1〜2割)は早めの開始が有効な場合もあります。担当医にご相談ください。

治療(薬物療法の組み合わせ)

  • くしゃみ・鼻水・目のかゆみには第2世代抗ヒスタミン薬(眠気が少ないものを中心に選択)が基本です。
  • 鼻づまりには局所(鼻噴霧用)ステロイド薬が最も有効です。
  • 症状のタイプ・重症度に合わせて薬を組み合わせて調整します。
薬の種類について詳しく見る

内服薬(全身から作用)

  • 第2世代抗ヒスタミン薬:くしゃみ・鼻水・目のかゆみを抑える。眠気が少ない薬が多く、運転などへの影響も少ない。ガイドラインで強く推奨。
  • 抗ロイコトリエン薬(LTRA)・抗PGD2/TXA2薬:鼻づまりへの有効性が強く推奨されている。気管支喘息を合併している方にも適します。
  • ケミカルメディエーター遊離抑制薬(クロモグリク酸など):予防的に使うタイプで、症状が出てからでは効果が出にくい。
  • 漢方薬:有効性の報告があり、体質に合わせて選択する場合があります。

※ 妊娠・授乳中の方、車の運転が多い方は薬の選択を個別に相談します。局所薬(点鼻・点眼)は全身への影響が少なく優先されます。

局所薬(直接鼻・目に作用)

  • 局所(鼻噴霧用)ステロイド薬:鼻づまりに最も有効。毎日続けることで効果が高まる。全身への影響は極めて少なく、長期使用可能。
  • 抗ヒスタミン点鼻薬・抗コリン点鼻薬:水のような鼻水(鼻漏)に有効。
  • 抗ヒスタミン点眼薬・ステロイド点眼薬:目のかゆみ・充血に。ステロイド点眼は短期間使用が基本。
  • 市販の血管収縮薬(スッと通るタイプの点鼻):連用は絶対に避けてください。連続して使うと「薬剤性鼻炎」となり、かえって鼻づまりが悪化します。

重症例・通常治療に反応しない場合

  • 生物学的製剤(抗IgE抗体薬など):重症の季節性アレルギー性鼻炎に有効性が示されており、2024年版ガイドラインでCQとして取り上げられています。当院では実施していないため、必要と判断した場合は専門機関へご紹介します。
免疫療法(根本的な治療)について:舌下免疫療法(SLIT)・皮下免疫療法(SCIT)は、原因アレルゲンへの免疫を変える根本的な治療法で、長期的な効果が期待できます(ガイドライン推奨)。当院では実施していませんが、希望される方・重症の方は実施医療機関へご紹介します。

日常でできるセルフケア(抗原回避)

外出時

  • マスク・眼鏡・帽子で花粉の吸入・付着を減らす。マスクは発症予防の可能性も示唆されています(2024年版ガイドライン)。
  • 起毛素材や凸凹のある服は花粉が付着しやすいため避ける。
  • 晴天・強風・乾燥の日・午後の時間帯は飛散が多め。外出時間を短くする。

帰宅時

  • 玄関に入る前に上着の花粉を払い、室内に持ち込まない。
  • 手洗い・洗顔・うがい。可能であればシャワーも有効。

室内

  • 洗濯ものは極力室内干しか乾燥機を使用。空気清浄機を活用。
  • 換気は花粉が少ない早朝・雨後・夜間に短時間。
  • 掃除機は排気に注意し、花粉の多い時間帯を避ける。

体調・生活習慣

  • 十分な睡眠、バランスのとれた食事、節酒・禁煙。
  • ストレスや過労は免疫のバランスを乱し症状を悪化させる可能性があります。

原因の検索(アレルギー検査)

  • 血液検査(血清特異的IgE):スギ・ヒノキ・ブタクサ・イネ科・ハウスダスト・ダニなどについて採血で原因アレルゲンを確認できます(保険適用)。
  • 好酸球数・総IgEなどの参考値も合わせて評価します。
  • 慢性副鼻腔炎・非アレルギー性鼻炎・感染性鼻炎などとの鑑別を行います。
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「春も秋もつらい」「通年で症状がある」場合は、通年性アレルゲン(ダニ・ハウスダスト・動物など)も関与している可能性があり、追加検査をおすすめします。
血液検査が陰性でも花粉症様の症状がある場合(LAR:局所アレルギー性鼻炎の可能性)は、専門医への相談をご案内します。

よくあるご質問

いつから薬を始めると良いですか?

最新ガイドライン(2024年版)では、花粉の飛散が始まり、症状が少しでも出たらすぐに薬を開始することが推奨されています。症状がまだない段階でも飛散開始時から内服を始めると、ピーク症状を軽くすることができます。花粉飛散前から症状が出やすい体質の方(全体の1〜2割)は早めの開始が有効な場合もありますので、担当医に相談してください。

点鼻ステロイドは長く使っても大丈夫?

指示通りに使えば全身への影響は極めて少ないとされており、長期使用も可能です。鼻づまりには最も効果的な薬であり、毎日続けることで効果が高まります。ただし鼻内の乾燥・刺激感などの局所症状が出ることがあります。

市販の点鼻(スッと通るタイプ)はどうですか?

血管収縮薬(市販品に多い)は即効性がありますが、連続して使うと薬剤性鼻炎になり、かえって鼻づまりがひどくなることがあります。使用は数日以内の短期間に限り、連用は避けてください。長期の使用が必要な場合は処方薬の局所ステロイド点鼻に切り替えることをおすすめします。

眠くならない薬はありますか?

第2世代抗ヒスタミン薬の中に眠気(鎮静性)が少ないものがあります。ただし薬によって効果や副作用の出方は異なります。運転業務がある方や眠気が特に困る方はお申し出ください、状況に合わせて選択します。

根本的に治す方法はありますか?

アレルゲン免疫療法(舌下免疫療法:SLIT、または皮下免疫療法:SCIT)が根本的な治療として有効です。スギ花粉に対するSLITは3〜5年継続することで、治療終了後も数年にわたる症状改善が期待できます。当院では実施していませんが、ご希望の方には実施医療機関をご紹介します。

舌下免疫療法は受けられますか?

当院では実施していません。ご希望される方は実施医療機関へご紹介します。スギ花粉症・ダニアレルギーに対する舌下免疫療法は健康保険が適用されています。

血液検査は受けられますか?

はい。採血で原因花粉の特異的IgE抗体を調べられます(保険適用)。スギ・ヒノキ・イネ科・ブタクサ・ハウスダスト・ダニなど、複数のアレルゲンを一度に確認できます。

妊娠中でも薬を使えますか?

妊娠中は使える薬が限られますが、鼻症状が日常生活に強く影響する場合は治療を検討します。全身への影響が少ない局所薬(点鼻・点眼)を優先し、内服薬は安全性の確認された薬を選択します。自己判断せず必ず医師にご相談ください。

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